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2019.12.10お知らせ, ブログ/活動報告, 中高年しごと物語いしかわ

中高年しごと物語いしかわ~自分の居場所を自分で作る~

少年時代からご両親の店の手伝いをしていたと話すFさんは、大学卒業後は営業マンとして全国を飛び回っていました。設計・建設事業や上下水道事業でのコンサルタントを任され、ギフトビジネスを手掛ける大手会社では営業部長として活躍されていました。

若い頃から忙しい日々を過ごしていたFさん。50代後半で金沢へと戻って来た際に考えたのは、今後は家族と過ごす時間を大事にしたいということでした。元々お料理が得意だった為、奥さんやお子さん達の為に毎日美味しいご飯を振る舞いたい、その他の家事等もやっていきたい、そう決めたそうです。

 

弊社の就労アドバイザーからFさんにご紹介させていただいたのは、金沢駅からは離れた場所に位置する、歴史あるホテルでの営業の仕事でした。Fさんの経験が生かせること、法人回りの営業なので原則平日日中勤務であること。家事との両立にはぴったりだとご紹介をしました。ただ、企業側の本音としては当然ホテル業なのだから土日祝日も臨機応変に出勤して欲しいという思いがあったようです。

しかしながら、Fさんの素晴らしいところが、そこを見越した上で面接時に自ら企業と交渉したのです。「家族の為に土日祝日はしっかりと休みたいし、17時になったら退社したい。平日の限られた時間の中でしっかりと責務を果たします。その代わり正社員雇用ではなくて良いし賞与も無くても良いです。いかがでしょうか。」と企業に提案しました。その結果、勤務日はFさんの希望に沿った形となり、雇用形態と賃金は企業様が提示した条件となりました。どのように働きたいかが自分の中ではっきりと確立していたFさんは、自分でご自身の居場所を作られたのです。

 

仕事を紹介させて頂いたのは約一年前、Fさんが62歳の時でした。現在は、ご両親の体調不良をきっかけに学んだ介護職についての経験・知識を仕事に活かしていらっしゃるそうです。現場の実情を把握しているFさんは、ホテルでのサービス(ランチや宴会)を受けてみないかと、福祉サービス業界へ企画・提案を行っています。面接時に自ら交渉した通り、日中の活動のみでしっかりと実績を作っていたのです。

郊外に建つホテルは内装も広々としていて駐車場も大きいので、施設を利用している方達もゆっくりとした時間を過ごしていると教えてくれました。「(高台に建っているので)景色が良い素敵な場所でご馳走を食べられて良かったと言ってくれたことがある」と話すFさんの笑顔はとても輝いていました。

 

仕事をする上で大切にしていることも色々と教えて下さいました。「決められたやり方ではなく、お客様のニーズに応えた動きをすることが大事だ」と考えるFさんは、ホテルの既存のプランを提案するだけでなく、お客様のご予算を聞いて企画をしています。「営業はマメさが重要で、他の従業員との報・連・相も大事にしている。そして一番は“Face to Face”だ。遠くだろうとしっかりと足を運び、頻繁に来ていると思って頂くことを心掛けている」と、営業の後輩の方達に伝えているそうです。

 

「顧客の幅を広げて、内容を濃くしていきたい」、「跡を継いでくれる営業を何人か育てたい」と仕事の目標を話すFさんに、ご自身の夢を伺いしました。「大きなことは望まない。子ども達に不自由な思いをさせないように頑張りたい。子ども達が独立して余裕があったら、好きな車を買って旅行に出掛けてみたい」と語るFさんは、家族や会社やお客様全てを大事にする、魅力的で素敵な方だと思いました。

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