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2020.3.16お知らせ, ブログ/活動報告, 中高年しごと物語いしかわ

中高年しごと物語いしかわ ~職歴8ヶ月のベテランさん~

現在 65歳のHさんはお仕事帰りの作業着姿で、インタビューに答えてくださいました。いつも愛用しているヘルメットも持参され、お話くださいました。「夏は暑いけど、安全第一。やっぱりこれを被らないと。」そう語るHさんは今のお仕事に就かれて8ヶ月なのですがもう何年も働かれているベテランに見えます。

Sさんは県内の物流を支える最新の物流倉庫で、フォークリフトを使ったピッキングのお仕事をされています。その倉庫ではたくさんのシニア世代の方が活躍されていて、最年長の方は70歳を超えているそうです。

最近需要の増えているピッキングのお仕事についてお話してくださいました。

「最近はAIが発達していますからね。例えばスーパーからこの品物を送って欲しいと依頼が来るとその注文内容をコンピューターが判断してこの順にカゴ車に積んでくださいという順番が印字された紙が出てくる。僕がフォークリフトを運転してその品物を集め、順番通りに積むとちょうどカゴ車に収まるんですよね」

商品がどこにあるかも紙に印字されているので、その通りに行けば良いそう。「でも、どんな向きで積むかは僕らが考えるんですよね。そこは僕らの活躍どころ。ビールやジュースの箱は似たような形だけど、お菓子とかは色々だからね。」

 

ベテランのようにしか見えないHさんですが、前職は半導体や制御盤の製造の現場で40年活躍され、物流業界には初めて飛び込まれたそう。「でも、まったく経験がなかったわけじゃないんですよ。フォークリフトの免許は50歳の時に取得しましたし、業務では使っていたので。免許持っていて良かったなぁと思います。僕の年齢でも働く気があれば雇って貰える資格だと思うので。」Hさんの職場では未経験でも免許をとって働き始めた60代男性も数名活躍されているそうです。シニア世代の方に有利な資格であることには間違いないようです。

 

体力的にどうですかとお聞きすると、「もちろん体力は使います、半年で5キロダイエットできました。」とのこと。「ただ、筋力がないと向かないんじゃないかというのは間違いで、体の使い方なんですよね。コツは、例えば指先じゃなくて面で持つ、出来るだけ太い筋肉を使う。とか、こういう場合は膝をついた方が楽とか、腰を入れるとパワーが違うとか。」

私が以前、物流担当者からお聞きした話を思い出しました。「この仕事はやってみないと分かんないところがあるんだよね。若い男の子が意外とすぐへばったかと思えば、細身の女性が長く続いたり。」

Hさんも初めから上手く体が動いた訳ではないそうです。「経験値も多少あるけど、自分で試行錯誤したのもあるし、責任者より自分のちょっとだけ先輩に教わるようにしました。なぜならその先輩はつい最近までそのことで悩んでいたはずだから。」

 

はじめは失敗も何度かされたそうです。「棚に品物をリフトでのせる時に、のせる面ばかり見ていたら品物の上の部分と棚の上の部分がぶつかってしまった。こういうのも視力云々とかじゃなく、何を気をつけて見れば良いかという『目』の力が大事だということでしたね。」「僕らの仕事は機械を信じてあげることも大事。今では思ったところに思った通りに置けると本当に気持ちが良い。」

 

Hさんに65歳を超えても働こうと思ったきっかけをお聞きしました。「年金もらってるけど何かと物入りなんですよね。働けて良かった。」当初は物流関係に応募していたわけではないそう。「前職を辞めた時、仕事はいっぱいあると思った。でもすんなり行かなくて。落選すると段々落ち込んで来ますよね。自信がなくなってくる。でも持っていた資格を生かしてみようかと思った時、雇って貰えて本当に良かった。持っている持っていないで時給も違いますしね。」

 

Hさんには他にもお仕事のコツを沢山お話いただきました。少し専門的な話もあるのでここではご紹介しきれないのですが、ひとしきりお話をお伺いして、Hさんがベテランに見えてしまう理由が分かった気がしました。Hさんは始めてたった8ヶ月の仕事ではあるものの、仕事を愛し、自らも工夫し、先輩から学ぶ、ということをしっかりやってこられている。だからこそこんなにもお仕事のコツを沢山お話できるのだと感じました。

本当に、お話のひとつひとつに感服しました。Hさん、ありがとうございます!

 

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