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2018.11.21お知らせ, 中高年しごと物語いしかわ

中高年しごと物語いしかわ ~とにかく、柔軟に!~

大手機械メーカーを定年退職後、様々な趣味を始めたSさん。陶芸、釣り、ハンコづくり、山野草など。当初は働く予定はなかったそうです。ただ、半年が過ぎ、これだけの趣味をしているにも関わらず、何かが物足りない、やはり働きたい、仕事から得られる充実感・やりがいを得たいと考えるようになり、石川県主催の就業支援講座に参加されました。

講座参加後、個別の就業支援を受けたSさんですが、当時はこんな仕事がしたいという具体的なイメージはお持ちでなかったようです。充実感・やりがいを得たいが自分にはどんな仕事が合っているのだろう、どんな仕事があるのだろう、という思いを抱いていたそうです。
就労コーディネーターにこれまでの経験や思いを話し、後日紹介されたのは「日本語教師」のお仕事でした。コーディネーターはSさんの前職での主な経験スキルを「機械知識」「営業スキル」「管理スキル」「海外赴任経験」と分解し、いずれか一つを活かせる新しい仕事を、というポイントで紹介してきたのです。

日本語教師の仕事はSさんの「海外赴任経験」を活かせる仕事でした。就業先は、県内の企業に就業を予定している外国人労働者に対して、日本語や日本で生活する為の知識を約3か月間かけて教える学校です。

Sさんは前職にてアメリカ・ブラジル・アルゼンチンなど約20ヶ国でのお仕事をしてきました。
英語を話すことができましたが、外国人労働者はアジア系の方が多い為、英語は基本通じません。ただ、様々な国の色々な文化や生活習慣を肌身で感じお仕事をされてきたSさんには、文化や生活習慣の違いにとまどう外国人労働者の気持ちも理解できるし、様々な価値観を受け入れることの出来る度量もありました。

国内の人不足解消の為、外国労働者の受け入れは増加の傾向にあります。こういった学校の需要は今後益々多くなるだろうし、社会問題にも貢献できるお仕事でした。ただ、この学校も設立したばかりの小さな学校であった為、時給は安くひと月の就業時間も固定ではなかった為、コーディネーターもSさんがそのあたりに抵抗をもたれるかもしれない、と思っていたようです。前職と比べるとあまりに会社規模も、給与も差が大きかったからです。
ところがSさんの素晴らしいところは柔軟性とチャレンジ精神でした。前職中海外でトラブルが起きた時も、言葉が通じないなりになんとか現地スタッフや業者と協力して物事を乗り切ってきた自信もSさんにはありました。「よし、とりあえずやってみよう」と就業を決められたのです。

就業されてからの感想をお伺いすると、やはり就業時間に安定感はないものの、業務内容に関しては非常にやりがいを感じていらっしゃるようです。「自国の家族の為に日本に出てなんとしてもスキルや収入を得ようと志す若者のモチベーションは高い。そんな生徒たちに囲まれて仕事をすることは自分自身の刺激にもなるし、やはり頑張ろうとしている若者は自然と応援したくなりますね」とのこと。

今後就業を考えている同年代の皆さんにメッセージを、とお願いするとこう答えてくれました。「とにかく柔軟に考えましょう!若い人の考えていることを知ることは刺激になりますよ」今後のSさんの夢をお尋ねすると、やはり働けるうちは社会に貢献できる仕事を続けたい、若い方の夢を応援できる今のような仕事であれば尚良いですね、と笑顔で仰いました。
大手企業で長年勤められていたにも拘らず、会社規模等関係なく、新しい環境に順応して活躍されている姿は本当に素敵に思います。Sさんは若者を応援したいとおっしゃいましたが、私はそんなSさんを応援したく思いました!!

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